Appleは日本時間の6/10 2:00よりWWDCにて各機器におけるOSの最新情報の発表がありました。
OSのバージョンを年号に合わせる形として、これまで各機器でバージョン管理されていたものを全て26で統一されました。
そして、今回の大きなアップデートはiPadOS26となっています。
具体的に何が大きなアップデートなのか見ていきましょう。
マルチタスク
今までのiPadOSでもマルチタスクっぽい動作は可能でしたが、macOSのようなものではなく、あくまでウインドウをいくつか並べて表示することができる程度でした。
(ステージマネージャーと呼ばれるものでしたが、ウインドウサイズを変更すると挙動がおかしかったりあまり使い勝手はよくなかった)
今回は完全なマルチタスクとしてmacOSのような挙動になりました。
(今Appleから配布されているのは開発者向けとなりiPadPOS26のスクリーンショットは基本禁止のため、画面はこちらに貼り付けることができません。ご了承ください。)
マルチタスクに関しては直感的で操作しやすい形となっています。
下記の画像はApple公式ページのiPadOS26の紹介ページから引用しています。

まだBeta版であるため、たまに挙動がおかしいところがあります。というのも純正アプリはまだしもサードパーティ製はiPadOS26の検証が完了していないので、ウインドウサイズを変更した際に表示が崩れたり、全画面(通常の表示)にしないと操作ができない場面もありました。
ただ、相対的に見てかなり使いやすくMacがない環境でもほぼiPadで事足りる印象を受けました。
しかしながら、動作としてはかなりよく考えられており、左上には「閉じる、最大化、最小化」ボタンがあり、ウインドウ右下にはサイズ変更用の丸い表示があり、こちらをつまみながら動かすと好きなサイズへ変更できます。
マルチタスクで動かしている時はDockが自動的に隠れる形になり、非常にスムーズな動きとなっていました。
MagicKeyboardとの相性
マルチタスクは非常に扱いやすく便利ではあるものの、使ってみて思ったことは「MagicKeyboard」ありき(外部入力装置があってこそ)で操作が考えられています。
当たり前ですが、MacBookのように扱うわけですから外部入力装置がないとあまり意味がないと筆者は感じました。
画面サイズの変更は良いものの、文字入力で画面にソフトキーボードが出てくるとそれで埋めてしまうため、マルチウインドウの良さが失われてしまいます。
画面が小さいiPad miniだと特にこのマルチウインドウが活かせないと思いました。(外部入力装置がないとソフトキーボードで画面を半分使ってしまう)
複数ウインドウの処理
少し欠点というか心配な部分もあります。
これだけマルチタスクが動いているということで良いことなのですが、おそらくメモリとCPU消費が多いように思いました。
今回筆者はiPad Pro 11インチ 第4世代(M2チップ)2TBでiPadOS26を導入しているのですが、こちらのiPadはメモリを16GB搭載しています。
512GBまでのモデルはメモリが8GB搭載なので、もしかしたらマルチタスクを複数立ち上げていると動作が遅い可能性があり、無印iPadなどであればCPUもM1などを搭載していない関係もあり動作がもたつくかも知れません。
筆者はiPad mini第6世代があるので、こちらも試せそうならやってみたいと考えています。
電話アプリ
新たに電話アプリが実装されました。
iPadではこれまで単体で電話する機能はなく、FaceTimeはありましたが電話アプリが搭載されたことにより電話ができるのでは?という発表内容でした。
筆者が実際に使ってみて、検証しましたので、こちらに記載いたします。
(今回の検証はiPadOS26 Beta1のため、今後のアップデートで挙動が変わる可能性があります)
筆者が持っているiPadはiPad Pro 11インチ 第4世代 2TB Wi-Fi+Cellularモデルとなり、単体での通信が可能となっています。
nanoSIM+eSIMモデルで筆者はイオンモバイルを契約したタイプ1のdocomo回線音声シェアのnanoSIMとなります。
この契約SIMは音声通話OK、SMS送受信OKの契約となっており、iPhoneやAndroid端末に入れることを想定していますが、もちろんiPadに入れてもプロファイル設定を行えば問題なく通信可能です。

iPad単体で電話をかけてみる
実際に電話を試してみました。
iPadで電話をかけるとiPhone経由での電話発信となりました。つまりiPad単体で電話発信はできず「iPhone経由」で発信となります。
発信した電話番号を見るとiPhoneに搭載されているSIMからの番号となっており、iPadでの電話番号では発信されていませんでした。
どうやらWi-Fi通話扱いのようです。
では、Wi-FiをOFFにした状態で電話発信を試しました。
そうすると発信自体は押せるものの、iPhone経由で発信しようと試みていましたが、実際はWi-Fiが繋がっていないので発信できない状態でした。
つまり、電話アプリという名のiPhone経由で電話発信できますよという従来の挙動と変わりませんでした。
従来もFaceTimeアプリでiPhone経由で電話をかけることができましたので、特に変更がないようです。
iPhone→iPadへ電話をかける
iPadの電話番号へ発信すると「圏外トーキ」でした。
「おかけになった電話番号は電源が入っていないか、電波の届かない場所〜」というトーキが流れており、着信ができませんでした。
着信履歴も残らないので電話としての機能は働いていない状態でした。
うーん、せっかくの電話アプリなのに残念。
SMSは使えるのか
SMSは使えるか試してみましょう。iPadはデータ通信の意味合いが強く、SMSの送受信ができないのがネックで契約関係や多要素認証でSMSを使ったサイトを利用できないことが問題でした。そのため、iPhoneがないと先に進めることができない状況です。(iPhoneがあっても無理な場合もありますが・・・)
筆者もahamoのeSIM契約の件で非常に苦労しました。詳細は以下の記事で
もしSMSが使えるようになれば、使い勝手が広がり非常に魅力的になります。果たして・・・
iPhone→iPadへSMSを送信する
iPadの電話番号へiPhoneからSMSを送信しました。
反応が全くなく、何も返ってきません。つまりSMSとしては機能していないように思います。
iPad→iPhoneへSMSを送信する
Messageアプリからになるのですが、こちらもSMSにはなりませんでした。iMassageは送れるのですが、SMS(緑文字色)にはならず送信不可でした。
SMSの動作
結論から言うと「使えません」つまり今までと変わりなく、iPad単体ではSMSの送受信ができませんでした。
うーん、電話アプリも実装されたので、使えると思ったのですが、非常に残念です。
つまり、多要素認証でSMSを使う形のものに関しては従来通りiPadで使っている電話番号では不可という結果に終わりました。
ただ、今はまだbeta版なので、今後のアップデートでSMSが使えるようになるかも?しれないのでAppleに期待しましょう。
iPadOS26について
今回のアップデートで筆者が気になることを抜粋しましたが、非常に大きなアップデートになっており、今までのiPadとは別の体験ができるものとなっています。
使い方によってはMacBookを必要とせずiPadだけで完結できることも増えるのではないでしょうか。
特に筆者はMacBookよりiPadの方をメインで使用していることが多く、非常に魅力的なアップデートだと感じましたし、何よりMacBookにはないCellular機能が搭載されていてMacBookのように使えるのは価値があると思いました。(あとタッチパネルだしね!)
ただ、サードパーティ製アプリがどこまで最適化するかが鍵となりそうです。
メジャーアプリは問題ないですが、ニッチなアプリが対応するのは時間がかかりそうです。(特に無料アプリなど)
こういった部分を解消できれば、iPadを日常使いされている方には非常に刺さるアップデート内容に思いました。
9月には正式版がリリースされると思いますので、楽しみですね!