電気自動車

TESLA CHAdeMOアダプター 130kW対応の発表

電気自動車
スポンサーリンク

2025年6月29日パシフィコ横浜で開催されたテスラオーナーズクラブジャパン全国ミーティングでテスラ・ジャパンCEOの橋本さんから現行のCHAdeMOアダプターをアップデートする発表がありました。

この発表について、CHAdeMOユーザー目線の筆者から解説したいと思います。

テスラ スーパーチャージャー

テスラの充電はNACS(North American Charging Standard)という独自規格で対応しており、専用のChargeシステムとなっています。

テスラ独自で充電ネットワークを構築し、充電機器としては「スーパーチャージャー」という名前で展開しています。

2025年7月時点ではバージョン4が最新となっており、遠州森町と東京都大田区の下丸子に設置されています。

スーパーチャージャーv4はv3と出力自体は変わりませんが、北米ではQRコード読み取り機能で他車でもNACSに対応した車であれば充電可能となっています。
(もしくはCCS搭載の車にNACS変換アダプターをつけても充電可能です)

スーパーチャージャーは250kW出力が可能で、かなりの高出力で快適に充電できる設備となっていますので、テスラユーザーは充電に関してストレスが少ないと考えられます。

スーパーチャージャーは日本国内で133箇所あり、かなり増えてきました。
設置場所については下記を参照ください。

https://www.tesla.com/ja_jp/findus/list/superchargers/Japan

スーパーチャージャー以外で充電するには

スーパーチャージャー自体はかなり増えてきましたが、まだまだ全国津々浦々まではカバーできていません。

特に北海道の東側や西日本エリアも少なく、CHAdeMOに比べるとまだまだ足りないといった形です。

そのため、テスラとしてはNACS→CHAdeMOに変換するアダプターを用意しており、こちらを使うことでCHAdeMO充電器でも充電することができます。
CHAdeMOアダプターは最大50kWまで対応しており、充電する際に急速充電器が150kWに対応していてもCHAdeMOアダプターの性能で50kWに制限されます。

こちらがCHAdeMO変換アダプターになっており、熱を持ちやすいことから真夏は50kWの出力がでず、よく出力制限なってしまうことも・・・

今回テスラ・ジャパンから130kW対応の変換アダプターを用意すると発表されました。

これはCHAdeMOユーザーにどういうことが起こるか解説したいと思います。

130kW対応CHAdeMOアダプター

こちらが流通するとどういうことになるか解説していきます。

充電器の取り合い

出力が上がったこともあり、高速道路上のSA/PAに設置されているCHAdeMO充電器でテスラ車も充電可能になります。

そうすると高速道路をわざわざ降りてスーパーチャージャーに行くぐらいなら、高速道路のCHAdeMOを使った方が楽だと思います。

そうなると、既存のCHAdeMO搭載の電気自動車ユーザーからするとテスラ車が充電していることで「待ち」が発生するか、2口なので、充電は可能ですが出力ダウンとなってしまいます。

つまり、CHAdeMOユーザーからすると充電する車両が増えてしまい、充電器の取り合いが出てしまうような状態が発生して不利を受けてしまうと思われます。

急速充電器の故障

現行のNACS→CHAdeMO変換アダプターを使うことで急速充電器が壊れたり、テスラ車両側が故障するという問題が発生した経緯があります。

PowerX社では明確にテスラ車両で充電することを推奨しておらず、故障しても責任は取れないと発表されています。

⚠Tesla車でのご利用をお控えください - Newsroom - 株式会社パワーエックス

このようなことから、CHAdeMOアダプターの影響で急速充電器が壊れてしまう(もしくはエラーが出て使えない事象が出てしまう)と次に使う予定のユーザーが充電ができなくなってしまう問題が出てしまい、他のユーザーにも迷惑がかかってしまいます。

今回新しく出るCHAdeMO変換アダプターがこういった問題も出ずクリアできているなら問題ありませんが、通常使用ではなく変換アダプターを使っていることからCHAdeMOとしても推奨しているわけではないので、何か問題が起こってもわからないですし正常に動作しない可能性があると思います。

充電性能が満足に出ない

現行のCHAdeMO変換アダプターが熱に弱く、真夏だと性能が発揮されず15kWだったり制限がかかることがあるそうです。
今回130kWという高出力に対応することから、熱を持つのではないかと考えられますし、充電器側も150kW出力対応の機器は15分ブーストモードで動いていることから、CHAdeMO変換アダプターも15分間しか130kWの出力に耐えれない可能性もありそうです。

そのため、実際には130kW対応と言っても30分の充電は40kWhほどしか充電できない可能性がありそうです。

どこまで性能が発揮されるか不透明ですが、130kWが30分間継続できるかまだわからないですね。また、テスラ車以外でも使うことができるかも不透明です。

今後NACS対応の電気自動車が販売されることを考えると他社との接続テストも行われるか気になるところです。

総じて思うこと

CHAdeMOユーザーからみるとはっきり言って「邪魔」な存在でしかありません。

元々スーパーチャージャーという独自充電ネットワークを持っており、そちらで経路・基礎充電を可能としているテスラが推奨しているわけですから、CHAdeMOを使うことは相乗りになります。

にも関わらず、今回CHAdeMOアダプターを使うことで全国のCHAdeMO充電器を使うことができるようになります。
最近テスラ車両も増えてきたことから、既存のCHAdeMOユーザーから見ると、相乗りされて何もメリットがなく順番待ちが発生して不満が溜まることになると思います。

つまり、CHAdeMOユーザーは不利だけ受けて、何もメリットがなく非常に困った状態となります。CHAdeMOユーザーに配慮すべきであれば、テスラとしてはスーパーチャージャーを他車にも開放すべきと筆者は考えます。

CHAdeMOユーザーもスーパーチャージャーが使えるなら、メリットが生まれて相互利用という意味であればまだ納得感が出ますが、今回のようなテスラ車だけがCHAdeMOを使えるようにするのはアンフェアのように筆者は感じます。

テスラ・ジャパンとしてはスーパーチャージャーを拡充することに力を入れていることは理解していますが、CHAdeMOに相乗りするなら、CHAdeMOの実情も把握するべきだと思います。

特にCHAdeMOの充電ネットワークはさまざまな充電プロバイダーが参加しています。
そちらを鑑みた場合、これは一方的な対応で既存のCHAdeMOユーザーからするとデメリットしかなく、テスラ車に対して嫌悪感しか出ないと思われます。
スーパーチャージャーと違いCHAdeMOのルールがありそのマナーを守って対応してもらえればいいですが、30分という制限があったり、30分の充電終了と同時に戻って来られればいいですが、充電アダプターを差したまま車両放置もあり得そうです。
(CHAdeMOにはスーパーチャージャーと違って充電放置のペナルティがありません)

こう言ったことから、筆者はテスラ・ジャパンの今回の発表には落胆しました。
日本は特にCHAdeMOの充電ネットワークが充実しているわけですから、テスラ・ジャパンはもっと充電の実情というものを把握すべきですし、他車に対してどう接するべきか考える必要があるでしょう。このような状態になってしまうとCHAdeMOユーザーとテスラ・ジャパンの溝が生まれて、険悪な状態にならないか心配です。

少なくても筆者は今回の件でテスラ・ジャパンには失望しましたし、テスラ・ジャパンのこのような対応があると思うと車種を選ぶ時にテスラ車は選択から外してしまいます。
せっかく車はいいのにサポート体制がこのような会社であれば車を買いたいと思わないのは非常に残念だなと思いました。

ぜひ今後の対応に向けてどうするか新たに発表してもらえると嬉しいですね。

タイトルとURLをコピーしました