AppleからWatch Ultra3 S11 SE3が発表され、9月19日発売開始となりました。
今回のWatchシリーズにおける一番の進化は「5G接続」だと筆者は思いました。
なぜ5G接続が重要なのか解説したいと思います。
ちなみに今回筆者はApple Watch Ultra3を購入しました。
ウエアラブル端末としての通信規格
ウエアラブル端末(スマートウォッチなどIoTデバイス)として今回Apple Watch Ultra3 S11 SE3が世界で初めて5G通信に対応しました。
5Gだけだと別に今でもiPhoneで接続できるのですが、なぜこのような小型デバイスで5G接続が必要かというとズバリ「電池消費の低減」(省電力)になります。
そうです、通信速度ではないのです。
みなさんの中で5Gといえば通信速度の向上を思い浮かべると思いますが、今回の5G接続は通常の5G接続ではなく「5G RedCap」という規格で通信されます。
これはIoTデバイスに特化した通信規格で消費電力を低減させつつ速度は4G LTEと同等のスピードを有しています。
つまり、5G RedCapで接続することでセルラー通信時の電池消費を抑えつつ、今まで以上にIoTデバイスを使いやすくしようと定めた企画なのです。
5G RedCapの強み
上記の通り、省電力性能が非常に高い5G RedCapですが、これだけではありません。
通信速度も4G LTE相当を持っていますが、5G SA(スタンダード)つまり4G LTEからの転用5Gではなく、Sub6の5Gで通信する規格となります。
これは今までの4G LTE基地局は使わず5G専用の基地局のため、周波数帯域にも余裕があり安定した通信が期待できますし、何より5G SAは帯域幅が広いため混雑しにくいことも特徴です。
ただし基地局側も5G SAだけではなく、RedCapの通信規格に対応する必要があるので、ここは注意が必要です。
※ミリ波についてはここでは割愛します。
対応キャリア
2025年9月19日で完全対応しているのはソフトバンクのみとなります。
auも一部は対応していますが、まだ完全ではありません。
docomoは全く対応しておらず、今後も未定。(おそらく周波数の問題)
楽天モバイルは5G SAがそもそもまだないため、対応していません。
詳細は石川さんの記事に記載があります。
ということで恩恵を受けるにはソフトバンク契約のみとなりますので、注意してください。
ソフトバンク以外は5Gで接続できないのか
筆者もApple Watch Ultra3を購入して接続を試してみました。
結論から申し上げると5G SAでもApple Watchの周波数に対応することで接続はできるようです。RedCap接続ではなくても大丈夫のようです。
筆者の環境で試したところ、ソフトバンクとau(KDDI)は接続できました。
ドコモは5G SAの基地局はあるものの、Apple Watchの周波数に対応していないのか接続されませんでした。
下記画像は5Gに接続されるとこのような形で表示されるようになります。どうやら転用の5Gだと接続されないので、5G SAのみのようです。
通信機能の進化
今回5G接続に特化して記事にしましたが、そもそも今回のApple Watchは通信機能の進化ポイントが多いです。
S10チップでSoCはSeries10と変わらないのですが(Ultra2はS9なのでチップは変更)通信内容として、5Gと衛星通信に対応、バッテリー駆動時間の延長、Wi-Fi 5GHzに対応となっています。これがなかなか凄くて、Wi-Fi 5GHzに対応したことで、通信速度が向上しており、筆者の自宅でApple Watch Ultra3の通信速度を見ると下りで50Mbps以上出ていました。
このおかげでアプリのインストール速度が速くなりましたし、アップルミュージックのダウンロードも速かったです。
速度向上の恩恵もあり、Apple Watch単体での動作が速くなった気がします。
Apple Watch Ultra2をお持ちの方で通信速度の向上を期待したい方は変更もありかなと思います。Ultra3の場合は1Hzの更新にも対応したため、常時表示中でも秒数が表示されるようになったため、より時計らしく動作するようになりました。
Apple Watch Ultra3の購入はありか
現在Ultra1であれば買い替えはありだと思います。バッテリーの持ちもそうですが、進化ポイントも多いため損はないでしょう。
Ultra2の方は悩みどころです。
バッテリーがまだまだ最大容量に余裕があれば、買い替えはしなくてもそこまで困ることはなさそうです。
筆者の場合は5G接続と1Hz表示があるので、今回買い替えました。5G接続がどれほどの実力か見たかったのと、3キャリアで接続できるか試してみたかったためです。
そのため、現状の使い方で満足している場合はまだ買い替える必要はないでしょう。
SEシリーズの方は買い替えは大アリです!
というのもSE3から常時表示対応し、5G接続にも対応しています(セルラーモデルなら)また、S8チップからS10チップになっており進化が大きいです。
S9チップから進化ポイントが多いので、今回は買い替えた場合満足度が高いでしょう。
高速充電にも対応したのがポイント高いですね。地味に睡眠時の無呼吸通知にも対応したのも嬉しい改善点です。
まとめ
ということで、実は地味にApple Watchシリーズが今回大きく進化しており、埋もれがちですが、進化点が多く注目してもいいんじゃないでしょうか。
もしApple Watchを検討している場合はぜひ参考にして頂ければと思います。