記事にするのが遅くなってしまいましたが、10/31にJapan Mobility Show 2025に行ってきました。
そこで一番気になるBYDの軽EV RACCOを見てきましたので、まとめました。
BYD初の軽EV
BYDは中国のバッテリー製造メーカーですが、車両も開発・生産・販売も行っています。
特にBEVを専門的に扱っており、PHEVも現在は販売をしています。
(日本からはシーライオン6で販売予定)
今回BYDは軽EVを開発し来年夏に販売予定と発表されました。
今まで海外メーカーが軽自動車規格で日本に入ってくることはほとんどなく、今回BYDが電気自動車で参入することは初の試みとなります。
しかも、日本ではまだ販売できていない両側スライドドアタイプの乗用車となります。
(商用車タイプであればN-VAN e:がありますが、乗用車では初)
軽自動車規格を作るためには、金型など全て1から作成となり、かなりの製造費用がかかると想定されます。それでもBYDとしては勝算があるとみて参入してきました。
RACCOのスペック
まだ正式な発表はされていませんが、現状わかってる範囲では以下の通りとなります。
・バッテリー容量はショートとロングの2グレード展開
・V2H、V2L対応予定(現在検証など行っており、まだ正式発表前)
・両側スライドドア(電動対応)
・ADASなど先進安全性機能搭載
・運転席パワーシート
・シートベンチレーション、シートヒーター搭載
・後部座席シェード搭載
・給電口は右前(スライドドアなので、後ろにすると充電中にドアを開けることができないためと考えられる)
まだわからない部分は以下となります。
・ワンペダル走行可能か
・受電できる最大のkWが不明
・航続可能距離
・4駆の設定
・走行用バッテリーのプレコンディション機能
・走行用バッテリーの冷却機能
・ヒートポンプ式かどうか
まだまだわからない部分はあるものの、BYDのことなのでおそらくバッテリー周りの機能はある程度解決してくると思います。
問題は4駆の設定があるかどうかですが、ここはモーター搭載の場所がない場合もあるのでFFの設定になりそうです。
とはいえ、今販売されているスーパーハイトワゴンの欲しい機能がほとんど搭載されているので、困ることはない装備内容だと思います。
販売価格
販売価格はまだ発表されていませんが、お伺いしたところ、来年夏の発売に向けてそれまでに色々情報を発表していく予定とのことでした。
販売価格は今回のJMS2025でいくらぐらいが妥当かとアンケートを取っているそうです。
こういった声も参考に価格を決めていくそうです。インターネット上のメディアでは200万円前半(補助金を入れた価格)と想定されていますが、筆者の想像は250万円ほど(補助金込み)ではないかと見ています。
(ショートレンジの価格を想定)
もちろん戦略的価格設定はあり得ると思いますが、そこまで下げてしまうとBYD側としても利益が担保できないと思います。
最近軽自動車規格は海外でも受け入れられているそうなので、販路を広げる予定があるなら、価格は下がりそうですがBYDがどこまで販売を考えているかですね。
まとめ
パッケージングとしてはかなり完成度が高い状態で今回お披露目されました。
筆者もBYD Auto Japan社長の東福寺さんにお話を伺ってきましたが、今回の軽EVを販売するにあたって、かなり日本のマーケットをリサーチされたそうです。
また、Car Watchの記事でも語られていますが、今回初めて参入したことについてEVについてのイメージを変えていきたいという思いとBYDが開拓していくという心意気を感じました。
特に日本市場は軽自動車の割合も大きく、軽自動車からの乗り換えは軽自動車という特殊な事情もあります。
ここに今回のBYDの軽EVの選択の検討として入ってくることは大きな意義があります。今まで国産メーカーしか作ってこなかった軽自動車に対して勝負を仕掛けてくることは競争がさらに生まれてより良いものが作られるのではないかと思いますし、個性が出る車も登場することになるでしょう。
電気自動車は今までのエンジン車と異なり、デザインの自由度も上がってきます。
こういった部分も含めて、今後切磋琢磨して消費者の欲しいものが増えると嬉しいですね。