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世界の充電規格戦争?

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電気自動車は充電する際、規格に合った充電器が必要になります。
今回この充電の規格で色々話題が出ているので、記事にしてみました。

世界の充電規格

電気自動車の充電規格は色々あるのですが、世界によって規格がバラバラになっています。
国際標準規格という形で決めれた規格として提唱し認められると世界で利用される形になります。

今回の電気自動車の充電規格としてCHAdeMOは日本が開発し、世界に先駆けて発表し採択されたという歴史があるのですが、今窮地に立たされています。

Impressさんのサイトにまとめられていますので、以下に画像を掲載いたします。

このように現在ではかなり乱立している状況となっています。

日本のCHAdeMOとは?

CHAdeMO(チャデモ)は充電中に「お茶でも」というところから名称がつけられました。
(これ本当の話です)

CHAdeMOは「CAN」という通信方式を採用しており、車両と充電器が通信(ネゴシエーション)を行い充電できる規格となっています。
今では当たり前の充電方法ではありますが、策定する際に色々苦労されたそうです。

CHAdeMOのすごいところは「双方向である充放電」を可能としており、他国で利用されている充電規格では対応していません。

これは日本という国が災害大国で停電しても電気自動車から電気を取り出し利用できることを想定して作られました。

CHAdeMOはピンチ?

上記だけ聞いてると、CHAdeMOいいじゃん!ってなるのですが、実はいくつか問題が内在しているのです。

双方向通信による扱いの難しさ

海外の充電規格は車両へ充電できれば良いと考えており、充電器〜電気自動車の通信はあくまで「車両への充電受け入れ可能か?」ということを確認し電気自動車へ充電するような仕組みとなっています。

そのため、海外車両の電気自動車は日本で販売する場合、CHAdeMOに対応させないといけないのですが、この通信部分の開発が弱くV2Hである放電機能が使えなかったり、急速充電器によっては相性問題で使えない場合があります。

出力の弱さ

CHAdeMOは専用のプロトコルとして規格されており、2.0では出力400kW相当まで対応しています。

CHAdeMO協議会のページより

しかし、現在設置されているCHAdeMOの急速充電器はVer1.2の規格である400Aまでの対応がほとんどです。

充電器にもよりますが、機器的には150kWの出力がほとんどです。

そのため、TESLAのスーパーチャージャーのような大出力対応まで至っていません。
TESLAのv3スーパーチャージャーは最大250kW対応で充電できる高速仕様となっています。

これはCHAdeMOの規格的には400kWまで対応しているので、出そうと思えばいけるのですが、CHAdeMO用の充電ケーブルがまだ200A用(90kW)しか開発されておらず、400kWに対応したケーブルがないためこのような状態となっています。

住友電工のHPより

いやいや、CHAdeMOでも(400A)150kWにさっき対応しているって言ったのに?というお話ですが、これはブースト充電となり、15分間だけ150kW出力可能となっています。
(逆にいうと30分間ずっと150kWを出力すると充電ガンやケーブルの熱が出てしまい安全が確保できないということでしょう)

充電規格が統一されるかも?

さて、ここで本題に戻るのですが、ここ最近海外メーカーからTESLAの充電規格に合わせる話が出てきました。
GMやフォードがなんとTESLAのNACS(North American Charging Standard)に合わせると発表したのです。

GMがテスラの充電施設利用へ、規格統一化に期待高まる
米ゼネラル・モーターズ(GM)が、フォード・モーターに続いて自社の電気自動車(EV)でテスラの急速充電施設「スーパーチャージャー」のネットワークを利用することに合意した。GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)とテスラのイーロン・マスクCEOが8日、発表した。

これは非常に興味深い話です。

今までTESLAのNACSはTESLA車以外利用できない規格でした。これが色々なメーカーが採用するとなると一気に普及する可能性もありますし、世界一の標準規格になる可能性が否定できません。

さらに、TESLAがコントロールできるわけですから、覇権を握ると言ってもいいでしょう。

充電スタンドの設置計画もTESLAが決めれることが多いわけですから、相当な影響力です。

日本でもこのような動きが出てくるとCHAdeMOは後退してしまい、TESLAのNACSになれば日本車勢もかなり苦戦を強いられます。
そうなると日本の電気自動車はCHAdeMOで作られるため、中古車市場も縮小するかも知れません。
 ※CHAdeMO搭載の車両が中古で出回っても海外では売れないので、市場が弱くなる?

これからどうなるかわかりませんが、トヨタ自動車も黙ってはいないと思います。
個人的には日産頑張ってほしいですが・・・

今後はどうなる?

自動車産業は自国だけではありません、世界で戦う産業となっています。

電気自動車の時代はまだまだ先だと思われている方も多いかも知れませんが、ある程度世界では普及するフェーズに差し掛かろうとしています。

ここで日本車勢も対策していかないと、世界で勝てなくなってしまう可能性があります。

CHAdeMOがダメではありませんが、何か打開策を考え、今後の未来に繋がっていけばいいですよね!

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