電気自動車は不便な乗り物なのでしょうか?
よく言われるガソリン車との違いやどういったものか、と言う視点でお話ししたいと思います。
車は車でも電気自動車は別物
まず前置きとして電気自動車とガソリン車は同じ「車」というカテゴリーに分類されますが、全く異なるもの!として認識頂くのが良いかと思います。
新しい移動手段であると捉えると良いかなと思います。
よく例え話で出てくるのですが、携帯電話における「ガラケー」と「スマートフォン」といった形で見て頂けると良いかと思います。
ここで伝えたいのは、電気自動車は従来の概念を捨てて頂いて、新しい視点で見ていただきたいということです。
電気自動車はガソリン車と異なる点が多数あり、新しい運用方法が必要になります。
電気自動車の視点
ガソリン車の方は言わずもがななので、今回割愛します。
さて、電気自動車ではどういう視点を持てば良いかと言う点になります。
以下に分類して説明いたします。
走行するための燃料(電気)の補給
ガソリン車との大きな違いは動力源です。
ガソリン車はその名の通り、ガソリンを燃料として走行できます。(エンジン)
電気自動車はもちろん電気で走るわけですから、燃料もとは電気です。(モーター)
ただ、補給する方法がガソリン車と異なり、ガソリンスタンドではなく以下の2種類の方法となります。
・普通充電
バッテリーに蓄電できる電気容量が少ないものとなります。
考え方としては長時間かけてバッテリーに充電するものとなり、バッテリーを痛めることなく充電できます。
一般的に3kW〜6kWの出力となり、日産サクラは20kWの電池容量なので、8時間〜10時間で満タンになります。
電池容量が大きい車両ほど充電に時間がかかります。
・急速充電
普通充電と異なり、大電力で充電できるものとなります。
日本では30分充電が多く、出力が20kw〜150kWまで多様です。
短時間で充電できることから、経路充電と言われており、長距離移動などの途中で補給する形になります。
充電できる場所は下記サイトで公開されていますので、参考にして頂ければ意外と近くに充電器があることに驚くと思います。
筆者もこういったサイトを見て、「なんと、知らないだけでこんなに充電器ってあるんだ」と思いました。
結局利用する必要がない人にとっては、知らないだけなんでよね。
充電するためには?
ガソリン車でも同じですが、ガソリン提供元のクレジットカードなどを持っていると優遇されたりしますよね。
それと同じで充電する際にも提供元の充電カードによって値段が変わります。
日産であれば「ZESP3」三菱であれば「電動車両サポート」と言う充電カードがあります。
また、車両メーカーではなく充電ネットワークプロバイダが発行するカードもあります。
ENEOS Charge Plus、e-MobilityPowerのカードがあります。
なお、カード発行もとの利用条件がありますので、ご注意ください。
日産、三菱ともに該当車両を保有していないとカード発行をしてくれません。(2024年5月1日現在)
上記とは別にビジター支払いと言って、充電器のQRコードなどを読み取りその場でクレジットカードによる清算でも充電することができます。
(ただし、充電カード会員に比べて割高になりがちです)
メンテナンス
電気自動車はガソリン車と異なり、エンジンを搭載していません。
従って、オイル交換は不要となります。
また、基本的なメンテナンスは消耗品と言われるものが該当していることが多く、ワイパーゴム、タイヤ、ウインドウウォッシャー液、12V補機バッテリーなどですね。
ブレーキパッドは電気自動車の場合、ほとんどの車両で「回生ブレーキ」を使用することで、ブレーキを踏む回数が減り、ブレーキパッドが減りにくいと言われています。
ここまで書くと「良いことづくし」のように聞こえますが、電動化が進んでいるため車両故障が発生すると原因の切り分けが複雑で難しいと言う点もあります。
しかし、相対的に見ればガソリン車より維持費は安くすみます。
電気自動車の方がいいってこと?
答えは「NO」でもあり「YES」でもあります。
これは利用される方のライフスタイルに依存します。
筆者はガソリン車も電気自動車もどちらも「車」と言う視点から見れば、便利であり不便でもあります。
これはどう言うことかというと、皆さんの環境によって左右されるためです。
例えばガソリン車の場合は、近くにガソリンスタンドがあるか?と言う視点です。
最近ニュースでもよく話題になっていますが、ガソリンスタンドが閉店しており、店舗数が減少傾向にあります。
つまり、燃料補給するために距離が遠いなどの問題を抱える場合もあります。
(時と場合によっては、今ある残燃料ではガソリンスタンドにたどり着けないと言うこともありえます)
24時間ガソリンスタンドが営業していないこともあり、急な燃料補給ができない場合もありますね。
電気自動車も同じで、自宅に充電器があるか、目的地の近くや経路の途中で充電器があるかで内容は変わりますが、充電方法さえ確立してしまえば、燃料補給と言う観点はOKかなと思います。
電気自動車もガソリン車も移動という観点では同じですが、運用する方法が異なるものの使い方によって便利でもあり不便でもあるものです。
ガラケーとスマートフォンで言えることですが「使ってみて良さや悪さ」がわかるものです。
いやいや、車は高価な買い物なのに、そんな使ってみてわかるって大変でしょ?という方には「レンタカー」で一度運用してみはいかがでしょうか。
日産ではe-シェアモビというレンタカーサービスを展開しています。
ここでは日産の車両をレンタルできるわけですが、日産サクラや日産リーフもラインナップされています。
一度電気自動車を借りてみて、実際どうなの?という気になる点を見るのも手ではないでしょうか。
百聞は一見にしかずであり、実際触ってみて合ってるか合ってないか判断すれば良いと筆者は思っています。
電気自動車を簡単にはお勧めしません
これは筆者のモットーですが、別に電気自動車いいからどうぞと簡単には勧めません。
なぜなら、利用される方にあった運用に合致しなければ、現状の日本の環境では逆に不便な乗り物になってしまうからです。
それでも電気自動車じゃないとダメだ!という方は止めはしませんし、選択は自由なので良いと思います。
筆者の場合は、以下の点で電気自動車の方が良いと判断して、保有しています。
・静粛性
・振動が少ない(エンジンがないため)
・自宅充電がある(途中の充電も別に苦にならない)
・酔いにくい(ガソリン車は筆者は酔いやすいです(振動のせいかな?))
・自宅の蓄電池として利用している
・運転してて楽しい!
・車のデザインが好き(グリルがないなど)
電気自動車は人を選ぶ?
電気自動車だけではなく、ガソリン車でも同じで人を選びます。
現在ガソリン車を利用されている方が電気自動車に興味を持ち、乗り換えを検討される場合、何をメインとして車を使うのか?を確認した方がいいです。
電気自動車は「単なる移動手段」ではないことを理解いただいた方が良いです。
筆者としては主に「蓄電池」「振動がない乗り物」という2点を重視して購入した経緯があります。
これはガソリン車にはない観点です。
蓄電池は災害対策にもなり、駐車している間でも有効活用できるからです。
車の一番効率が悪いことは「駐車している時」になるわけです。
(何もしていないのに、スペースをとるからですね)
車として見るのではなく、大容量の電池や何が便利でいい物なのかを理解することで電気自動車の活用が広がると思います。
気になる方はお気軽に筆者のX(旧Twitter)などでご相談頂ければ色々お伝えいたしますので、参考になればいいかなと思います。