日産から軽EV販売開始
5/20に日産から量産型軽規格の電気自動車が発表されました。
車両の名称は「SAKURA」という名前で7月から販売開始されます。
今までも軽規格でEV(電気自動車)は三菱からiMiEVが販売されていましたが、
前回のモデルチェンジで車両の大きさが変更になり、普通自動車となってしまいました。
そのため、軽EV規格は日本から消滅してしまいました。
今回改めて日産と三菱から軽EVが発表されたわけですが、これには大きな意味をもちます。
今までの電気自動車は以下の特徴があり、避けられていました。
・値段が高い
・一回の満充電あたりにおける航続距離が短い
(リーフe+で実航続距離は350kmをこえましたが、ガソリン車に比べるとまだまだ)
・リセールバリューがあまりよくない
(バッテリーが劣化することによる懸念)
・充電インフラが貧弱
(ガソリンスタンドの数とよく比較されますが、これは意味をもちません。後ほど説明)
では、なぜ軽規格EVであればいいのかですが、上記問題点をほぼクリアしているからになります。
・軽自動車の移動距離がそもそも生活上100km未満がほとんど
・値段は補助金を入れると軽ガソリン車と遜色ない
・リセールバリューは日産が残クレで35%を保障(つまりガソリン車並みとした)
・自宅充電をターゲットとしているので、出先の充電インフラに左右されない
これだけ満たされれば、購入層はグッとひろがり、今まで電気自動車に関心がなかった層を
取り込むことにもなると思います。
またガソリン車と異なり、電気の方が一般的に安いのでランニングコストを考えても
お得になること間違いありません。
スペックと価格
日産SAKURAのスペックと価格ですが、以下となります。
基本スペック
各種性能 | 内容 | 補足 |
原動機 | 最高出力 47kW 最大トルク 195N-m | 出力はガソリン車と同等 トルクはターボ車が約100N-mのため、 ほぼ倍の性能 |
電池容量 | 20kW | – |
充電性能 | 急速 30kW 普通充電 3kW | 満充電走行距離 180km |
安全性能 | 360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム) | – |
走行性能 | e-Pedal Step | アクセルペダルで加速減可能 完全停止は不可 |
先進技術 | プロパイロット | G or Xグレードでオプション追加 |
価格
グレード | 価格 | 主な差 |
X | 2,399,100円 | – |
G | 2,940,300円 | プロパイロット MOPナビ、NissanConnect専用車載通信ユニット、ETC2.0 SOSコール 6スピーカー ステアリングヒーター、シートヒーター(両方とも運転席のみ) USB電源ソケット(タイプA、タイプC) カッパー加飾(インストパネル、ドアフィニッシャー) クリアブラックシールド SRSニーエアバック(運転席) など |
使用用途
まさに軽自動車で言われる、近所車を目指していると思われます。
買い物、子供の送迎、ちょっとしたお出かけ
これだけなら十分な性能でしょう。
ターゲット層と使い方
20代~30代のファミリーや2台目需要をターゲットとしています。
メインカーには航続距離が足りないのと、まだまだ置き換えには用途が向かないと思います。
電気自動車の普及につながるのか
これはまだ何とも言えませんが、意義は非常に大きいと思われます。
ただ、日本は充電インフラが非常に貧弱です。
海外では350kW級の急速充電器が普及し始めていますが、日本の充電規格である
「CHAdeMO」の2022年6月現在における最高出力は「150kW」となっています。
※しかも150kW設置個所は全国でまだ2か所となっています。
また、ガソリンスタンドと比較してよく急速充電器の数が出ていますが、これはイコールではありません。
ガソリンスタンドは少なくても同時に4基以上あると思いますが、電気自動車の急速充電器は1基しかないことがほとんどです。
しかも、出力にばらつきがあります。
急速といいながら、20kW~150kWまであるため1回の充電で受け入れられる電力量に違いがあります。
こういった点も踏まえると、今回のSAKURAに関しては自宅充電をメインとしているため、
外出先で急速充電はあまりしない想定であれば影響は受けないように思います。
遠出する場合は、ARIYAやTESLAの電気自動車になりそうです。
リーフでも遠出はできなくはないですが、バッテリー冷却機構が空冷のため、ある一定以上の急速充電を行うとオーバーヒートしてしまいます(1回の充電がだんだん受け入れられなくなる)
何はともあれ、新しい軽EVに期待です。