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トヨタ Level2++ E2Eの自動運転について

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トヨタ自動車は8月27日にLevel2++の自動運転に関する報道発表を行いました。

今まで自動運転に関してはトヨタ Woven Cityでの取り組みは紹介されていましたが、今回は自動運転を2028年に導入すると具体的なスケジュールも発表しました。

この背景に関して筆者の目線から読み解きたいと思います。

自動運転の発表タイミング

なぜトヨタはこのタイミングで自動運転に関する取り組みを発表したのか考察しました。

自動運転の各社競争状況

今世界では自動運転における競争が激化しています。
アメリカではWaymoが自動運転のタクシーを運営しており、イギリスではWayveが自動運転を先行しています。
ここ最近ではテスラがCybercabを導入したことで話題になりましたね。

中国ではBaidu、Pony.aiなどがロボタクシーを運営しています。

このように先進国では自動運転という新たなマーケットにチャレンジしており、この覇権を握ると非常に大きなビジネスになると踏んでいるためです。

自動運転で得られるもの

これはいくつもありますが、何より自動運転が本格化すると事故率の低減、交通インフラの維持、AIによるディープラーニングの進化、コストの低減などなどさまざまな効果が得られます。

しかし一方で、自動化が一般的になると自動車自体の保有率が下がる可能性があり、生産台数の頭打ちが出てくる可能性があります。

(今まで複数台所有していた場合、1台のみとなり後はロボタクシーなどの他の手段になる可能性があります)

とはいえ、過疎地域での交通インフラ(ラストワンマイル)での期待値は高く、普及は間違いないと思います。

自動運転の最大のハードル

筆者が一番に思うことは「責任の所在」の問題です。

各国自動車を運転するにあたり、自国の交通ルールが存在します。これまでは全て運転する人間が責任を負うことで成立していましたが、自動運転が本格化すると誰が責任を負うことになるか?が各国によって解釈が異なるという点が一番大きなハードルとなっています。

自動運転にはLevelで大別されており、Level0〜Level5が定義されていますが、この定義だけでは実用化できないため、Level2++といった単純なLevel2ではなく、「++」という形で少しイレギュラーな自動運転のレベルが設けられています。

この「++」が曲者で簡単にいうと責任は誰にあるか?というところを運転している運転手(人間)と明確化することで実装されています。

現在の日本ではLevel3以上(主にメーカー側である車)でリリースされたのはホンダのレジェンドのみです(これも100台リース限定車)
といってもLevel3も運転手と車で各々の監視条件下の元で責任所在が変わってきますので、完全に車側というわけではありません。
(例えば交通渋滞の○○km速度以下は車側が主導になるが、この条件下ではない場合は運転手が責任者となるなど)

また、各国の交通ルール(法律)を変更する必要もあり、自動運転は単に自動車メーカーだけで成立するものではありません。
国と協力することで成立することなので、簡単にはリリースできないのもハードルとなっています。

つまり、トヨタがこのタイミングで発表したということは、トヨタとして各国におけるE2Eのロードマップがある程度固まりつつあり、導入タイミングとして2年後には本格的に自動運転が当たり前の世界になっていると想定したと考えられます。

トヨタが自動運転を導入する勝機

トヨタは2028年に日本でE2Eの自動運転を導入していくと発表した内容の裏には国が主導で動いているE2Eの整備が2028年に予定しているからだと考えています。

下記はデジタル庁から公表されているモビリティ・ロードマップ2026(案)の抜粋ですが、2028年までには通信整備としてV2X通信割り当てが予定されています。

これは5.9GHz帯を転用して自動運転用に割り当てて活用するもので、おそらくトヨタはこの通信方式を利用して高度なE2Eを実現するのではないかと筆者は考えています。

参考出典:モビリティ・ロードマップ2026(案) デジタル庁

トヨタ以外では日産はWayveと協業してE2Eを予定していますが、これはAIを用いて車単体でのLevel2++を実現しようとしています。

トヨタにおけるE2Eはまだ簡単な概要しか発表されていませんが、おそらく筆者の見立ててではラストワンマイルでの交通インフラ維持を担う必要があり、高度なE2Eが求められます。

この場合、車単体でのE2Eだけでは実現できないと考えており、通信技術とのミックスにおける遠隔操作と高度3Dマッピングでの地図データの活用が大きな鍵だと筆者は見ています。

日本は他国と異なり、特異な交通事情が非常に多く、複雑な信号機(矢印信号の多様性)の処理や多種多様な交通標識、また道路自体に記載のある交通標識などクリアしなければならない用途が多いため、テスラのカメラによるAI処理だけでは追いつかない部分もあります(カメラによる読み取りだけでは3Dの高度地図に対応できない)

つまり、こういった用途をクリアしてこそ日本でのE2Eが成立するとトヨタは考えており、他社の追従を許さず確固たる地位を築き上げるのではないかと見ています。

V2X通信が本格化すれば協調型自動運転が実装されますので、周囲の車両とも相互で通信することで、高度な自動運転を実現可能となります。
つまり、Level4やLevel5実装まで対応可能になってきます。

報道では高級車の搭載だけではなく、量産車での搭載も視野に広げていくと話がありましたが、まさに協調型自動運転を広げるにはV2X通信を可能とした多くの車両が必要となります。
高級車だけではこれは実現できないものですから、これを見据えて量産車に搭載して進めていくのではないかと筆者は予想しています。

参考にOKI電気のV2Xにおける協調型自動運転の取り組みを参照ください。
OKI電気における協調型自動運転

他社は日本での自動運転で勝機はあるのか

これはまだわかりませんが、テスラであれ、日産であれ勝機はあるでしょう。

というのも上記であげた内容は筆者の予想ではあるものの、ラストワンマイルまで考えなければ都市部の交通だけであればある程度AIのディープラーニングと機械学習が進めばこなせると思います。

実際テスラも相当なロードマップ情報をもとにAIが学習し実際の運転データをもとに最適な運転方法を毎回選択しています。

つまり、人間が運転した「一番」を常に選択し続けるわけですから、相当なドライバーということになります。

WayveのアプローチはLiDERを利用した高度な視覚探知とAIによる機械学習を基本としています。これも同様に運転しながら常に最適なルールに基づいて判断しています。

都市部であれば、この情報さえあればある程度こなすことができますが、過疎地域は交通インフラの替わりとして機能しなくてはなりません。

そこには「正確性」「安全」「コスト」がのしかかっています。これを全てクリアするには今あるE2E技術だけでは足りないものが出てくるでしょう。
これに対してトヨタは誠実に応えようとしているのではないかと筆者は感じています。また、トヨタは技術展開もする可能性があり、このようなE2Eを他のメーカーへ搭載することでコスト低減も狙っているかもしれませんね。
特に協調型自動運転を実現するにはトヨタの車だけでは難しいので、他社の搭載も必要になってくるでしょう。

今後の自動運転について

Woven Cityの実験も兼ねていると思いますが、筆者の見立てでは先行的に5.9GHzの割り当てを行いWoven Cityで成立するか実証実験をするのではないかと思っています。

特定エリアにおける周波数割り当ては今までも総務省が実施してきました。

大々的に発表するかはわかりませんが、もしこの予想が当たればトヨタは国と足並みを揃えてE2Eの本格導入を検討しているとみて間違いないでしょう。

法律が成立していないから導入できないといった話がネット上では話題になっていますが、今までの日本の動向を鑑みると法律以前に日本という特殊事情をどこまでE2Eが実現できるかということに政府は考えているのではないかと筆者は考えており、こちらがクリアできさえすれば自ずと法律は成立すると考えられます。

今までも道路交通法は水面下で何度も法改正が動いてきました。国が強力に推し進める形になれば一気に動くのではないでしょうか。

そして未来ではE2Eが当たり前の世界が来る可能性が高く、交通インフラの考え方が変わるかもしれませんね。