日産サクラが納車されて、1年が経過しました。走行距離は11,574kmを突破しました。
現在の走行用バッテリーの劣化状況を見ていきましょう。
今回もLeafSpyで計測するので、Amazonで購入したOBDIIをご紹介します。
※iPhone用を利用する場合はWi-Fi版をご使用下さい。
Bluetooth用だと接続できない場合があります。
前回の記事はこちら
前回(2023年6月19日)の電池状態は?
前回記事で紹介していますが、2023年6月19日に測定した際の電池劣化具合をみていきましょう。
| 数値 | 補足 |
SOH | 94.74% | |
AHr | 54.66 | 19.131kW |
Qc | 158 | 急速充電回数 |
L1/L2 | 77 | 普通充電回数 |
今回は真夏となり電池温度も上昇していることも多く劣化が進みそうです。
さて、どうなったでしょうか。
2023年8月23日の電池状況を測定
LeafSpy(リーフスパイ)の測定結果画像になります。
| 数値 | 補足 |
SOH | 93.66% | |
AHr | 54.04 | 18.914kW |
Qc | 209 | 急速充電回数 |
L1/L2 | 95 | 普通充電回数 |
ついに1年で1kWh分減りました!
だいたい日産サクラの1kWhで走行できる距離は8kmほどなので、1年で8kmほど走行できなくなったと言うことになります。
理論上の話をすると10年で80kmほど走れる距離が短くなるわけですが、一応バッテリー保証もあるので何とかなりそうな気もします。
問題は日産サクラのセグ欠けがどの程度で発生するかと言うことになります。
(セグ欠けとはバッテリーメーターが12等分されており、この1つがかけることを言います)
日産リーフの場合はだいたいSOHが85%を切り始めると1つ目のセグが欠けます。
同じバッテリーマネージメントを日産サクラもしているのであれば、あと8%〜10%ほどSOHが落ちた頃に最初のセグ欠けが発生するのではないかと考えられます。
今のところ、1年で6%ほどSOHが劣化していますので、2年〜3年後には最初のセグ欠けが発生しそうです。
その後はどれぐらいでセグ欠けが発生するかによりますが、8年160,000km保証があるので、それには間に合いそうな気もします。
劣化はこれからも同じ程度進むのか?
正直まだ1年しか経過していないので、何とも言えないところではありますが、進行具合は環境にも左右されます。
そのため、同程度劣化する可能性もありますが、進行が遅れる場合もあるでしょう。
ただ、筆者的にはこのまま劣化が進めばバッテリー保証になるのである意味いいのではないかと考えています。
バッテリー保証は8セグメントになったら9セグメント以上に回復することを保証しています。
仮に7年後であれば、毎年6%減り続けますので93.66-(6*7)=51.66%となります。
半分以上劣化しているので、間違いなく8セグメント以下となっていることでしょう。
これも想定のためここまで単純な計算にはならないと思いますが、可能性として劣化の目安にはなると思います。
やはり大容量の電池を積んだ電気自動車がいいのか?
電気自動車では大容量の電池を積んでいる場合、劣化してきてもそれほど影響を感じないと思います。
なぜなら、大容量バッテリーの場合、劣化しても体感的に感じにくく元々の走行距離も多いため気にしないですみそうです。
しかし、日産サクラのような小容量のバッテリーだと1%の重みが違います。
ここが大きな違いとして現れてきて、実際の走行距離が短くなったと感じやすくなります。
日産サクラが小容量なので、確かに走行距離は気になりますが、元々の移動距離も短いことを想定しているので影響は少ないのでは?と筆者は考えています。
結局は普段の運用の仕方によってここは変わってきますので、長距離をメインで検討される場合は日産アリアや日産リーフのe+を検討することが望ましいと言えます。
(長距離は感覚によりますが、1回の走行距離で100km以上の場合を筆者は想定しています)
全固体電池登場で未来が変わる?
これはまだ分かりませんが、全固体電池が登場するとバッテリー密度が高いので小さいサイズで同じ20kWhを搭載することが可能となります。
つまり、スペースが稼げますので日産サクラでも40kWh搭載することが可能になるかもしれません。
そうなると日産リーフの40kWhモデルより走行距離が長いと言えるでしょう。
(日産サクラの方が電費が良いため)
また、同じ20kWhだったとしても全固体電池の方が充電効率も高く、量産できれば価格も下げれる可能性が高そうです。
(40kWh搭載になるとその分費用も高くなる)
そうすれば、色々な車種にも応用できるかも知れません。
今の電池サイズや重さを考えるとスライドドア対応の電気自動車を出そうとすると、車両重量の関係で電費が落ちてしまい、満充電あたりの走行可能距離が短くなると考えられます。
そこを全固体電池で補うことができれば、今の日産サクラと同程度かそれ以上が達成できるのではないでしょうか。
軽規格と全固体電池は相性が良いと思いますので、早く登場して欲しいですね。